推薦者 どり様

 

投稿内容(項目): おすすめの本・絵本

投稿内容: 「小児がん外科医 君たちが教えてくれたこと」松永正訓著

 

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この本は、2008年に【命のカレンダー】として出版された本に、文庫化するにあたり、

文庫本のためのエピローグ」と「文庫本のためのあとがき」が加筆されたものです。

小児外科医の松永先生が、ご自身が治療されてきた小児固形がんの患者さんや、

その御家族とのやりとり、治療の過程で先生がどんなことを考えながら次の治療へと

つなげていったのかを記録された本です。

どなたにでもお勧めできる本ではないかもしれません。
特に、告知をされたばかりの方には厳しすぎる内容です。
お手に取って、今はムリ、と思ったら、躊躇無く本棚の奥にしまってください。

私の息子が神経芽腫になった後、私自身は、そのことを知った周りの方からの

(親戚縁者も含めて)「小児ガンは、今は7割が治るんでしょう?大丈夫よ」

という言葉が苦手でした。

励ましてくれているのはわかります。でも、闘病している息子の姿を見ていると、

そういう言葉で片付けられる問題では無い、と思いました。
そして、「●●がいいわよ」「●●を飲ませなさいよ」「●●に祈祷してもらって」

という民間療法、エビデンスの無い様々なことをお勧めされるのが苦痛でした。

相手に悪気がないとわかっていても…。

そんな方に「小児ガンって、神経芽腫ってこんな病気なんです」と、

この本を渡したことがありました。

もう、いろんなことを言ってこなくなりました。
かなり専門的な内容が書かれていますが、

小児ガンの闘病がいかに過酷なものなのかは理解して戴けたのだろうと思います。


私の息子はおかげさまで治療終了後、5年経過しました。

問題はいろいろ抱えていますが、元気に学校に通っています。

病気をしていたことを忘れてしまう日も増えてきました。
今でも時々、この本を開きます。
頑張って生き抜いてくれたことに感謝しなくては、

多くのことをこの子に求めすぎてはいけないな、と思うのです。

 

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 どりさま

 素敵なコメントと体験記をありがとうございます。

自分の心のステージがどの位置にあるかによって、受け取り方が違ってくるかと思います。

自らの心を守りつつ、周りの方とも波風たてずにやっていくために成功なさった参考になるお話でした。

ありがとうございました。